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岡山県の産業廃棄物収集運搬業許可|自社申請と行政書士依頼の比較【コスト・工数・リスク】

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大道一成(行政書士)

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「産業廃棄物収集運搬業許可」の取得にあたり、最大の分岐点とも言える「自社で申請するか、専門家(行政書士)に依頼するか」でお悩みですね。

「コストを抑えたいから、自社(総務部や社長ご自身)でやってみよう」

「しかし、調べてみたら岡山県の手引きが複雑で、何をすべきか分からない」

「もし申請が遅れて、受注予定だった元請けの仕事を逃したらどうしよう…」

これは、当事務所に駆け込んでこられる事業者様に共通するお悩みです。

結論から申し上げます。「行政書士報酬」という目先の支出を惜しんだ結果、その何倍もの「機会損失(人件費・受注ロス)」を被るケースが後を絶ちません。

この記事では、単なるメリット・デメリットの羅列ではなく、「コスト」「工数(時間)」「スピード」「リスク」の4つの軸で、自社申請と行政書士依頼を徹底的に比較・解剖します。

岡山県における自社申請(DIY)の徹底分析【コスト・工数・リスク】

まず、自社で申請に挑戦する場合の現実的な「メリット」と、それ以上に大きな「デメリット(コストとリスク)」を詳細に分析します。岡山県の審査実務は、全国的に見ても「手引き通り」の厳格さがあり、「このくらい大丈夫だろう」という素人判断はほぼ通用しないと心得るべきです。

表面的なメリットと、その裏に潜む「4つの隠れコスト」

自社申請の唯一にして最大のメリットは、「行政書士への報酬がかからない」という点に尽きます。

しかし、当事務所が「それは表面的なメリットに過ぎない」と断言するには、明確な理由があります。その報酬を節約しようとした結果、以下の「隠れコスト」が必ず発生するからです。

隠れコスト①:膨大な「人的コスト(人件費)」

これが最大のコストです。多くの中小企業経営者様は「社員(または自分)がやればタダ」と誤解されていますが、それは会社のリソースを無駄遣いしていることに他なりません。

仮に、申請担当者様(社長ご自身や総務部長クラス)の人件費をかなり低く見繕って、時給3,000円と仮定して試算します。

  1. 学習コスト(15時間~)
    • 岡山県(または岡山市・倉敷市)の「申請の手引き」の熟読・理解。
    • 廃棄物処理法、欠格要件(役員が該当しないか)の確認。
    • 自社の財務状況(債務超過でないか)の確認。
    • 試算: 15時間 × 3,000円 = 45,000円
  2. 書類収集コスト(10時間~)
    • 法務局:履歴事項全部証明書、役員全員の登記されていないことの証明書
    • 市町村役場:役員・株主全員の住民票(マイナンバー不記載)、身分証明書(※本籍地でのみ取得可)
    • 税務署・県税事務所:納税証明書
    • 【岡山県の壁】 役員のAさんの本籍地が北海道、Bさんの本籍地が沖縄だった場合、それらを全て郵送等で取り寄せる手間と時間がかかります。
    • 試算: 10時間 × 3,000円 = 30,000円
  3. 書類作成コスト(20時間~)
    • 申請書(数十ページ)への正確な記入。
    • 事業計画書(運搬ルート、排出元、処分先の具体化)。
    • 財務諸表(B/S, P/L)の整理。
    • 車両の写真撮影(規定のアングル)、車庫の測量と図面作成。
    • 試算: 20時間 × 3,000円 = 60,000円
  4. 窓口対応コスト(12時間~)
    • 申請窓口(備前・備中・美作の各県民局、または岡山市・倉敷市役所)との事前協議。
    • 窓口への申請書持参(平日の日中のみ受付)。
    • 【最大の関門】 補正(ほせい)対応。後述しますが、素人申請で補正ゼロはほとんどあり得ません。最低2~3回の窓口往復が発生します。
    • 試算: (往復・待機3時間)× 4回 = 12時間 × 3,000円 = 36,000円

【人的コスト試算合計】

45,000 + 30,000 + 60,000 + 36,000 = 171,000円

いかがでしょうか。これは最低ラインの試算です。行政書士報酬を既に上回っています。 しかも、これは申請担当者様が「本来の業務(営業、現場管理、経営)」で生み出すはずだった利益を完全に無視した計算です。

隠れコスト②:法定費用・実費

これは行政書士に依頼しても同じく発生しますが、予算として見落とされがちです。

  • 岡山県への申請手数料(証紙代): 新規 81,000円 / 更新 71,000円
  • 講習会受講料(JWセンター): 新規 29,700円 / 更新 29,700円
  • 各種証明書取得実費: 5,000円 ~ 10,000円程度

隠れコスト③:機会損失(ビジネスチャンスの逸失)

これが最も恐ろしいコストです。

自社申請で不備を繰り返し、許可取得が標準(約2ヶ月)のところ、4ヶ月、5ヶ月と遅れたとします。

もし、その間に「月30万円の利益が出る」運搬の仕事が元請けから打診されていたらどうでしょう。

  • 遅延3ヶ月 × 30万円/月 = 90万円

許可が下りないために、その90万円の利益を失ったことになります。

行政書士報酬をケチった結果、90万円の損失を生む。これが、自社申請の最大のリスクです。

隠れコスト④:不許可リスク(申請手数料の没収)

万が一、欠格要件(役員の過去の犯罪歴、財務状況の致命的な悪化)を見落として申請し、「不許可」となった場合、支払った申請手数料81,000円は一切返金されません。

そして、不許可の事実は5年間記録に残り、再申請のハードルが上がります。

岡山県の自社申請を阻む「3つの専門的な壁」

なぜ、上記のような「隠れコスト」が発生してしまうのか。それは、岡山県の産廃許可申請には、乗り越えにくい「3つの壁」が存在するからです。

第1の壁:岡山県特有の「要件解釈」の壁

  • 経理的基礎(財務要件)の壁直近の決算書が「債務超過(資産<負債)」の場合、岡山県では「安定的な事業継続が困難」と見なされ、原則として許可が下りません。この場合、「中小企業診断士等が作成した経営改善計画書」を添付するなどの高度なリカバリー策が必要です。自社で「大丈夫だろう」と申請しても、窓口で「債務超過なので受理できません」と一蹴されて終わるだけです。
  • 車両要件の壁「何を運ぶか」と「車両の構造」が一致している必要があります。(例:液状の汚泥を運ぶのに、防水加工や堰(せき)のない平ボディトラックで申請する)このような申請は、担当窓口で「この車両では飛散・流出の恐れがある」として、補正(車両の改造または買い替え)を指示されます。

第2の壁:膨大かつ難解な「書類作成・収集」の壁

産廃許可申請は、単なる「穴埋め」ではありません。

  • 役員・株主全員の証明書「5%以上の株主」も対象です。疎遠になっている株主がいる場合、その方の住民票や身分証明書(本籍地で取得)も必要になります。
  • 事業計画書の「合理性」「どこから(排出事業者)」「何を(廃棄物の種類)」「どこへ(処分場)」運ぶのか。この計画に合理性がない(例:処分場が遠すぎる、処分場がその廃棄物を受け入れられない)と、事業の実現可能性を疑われます。
  • 写真・図面の「基準」車両は「ナンバー」「側面表示(産業廃棄物収集運搬車)」「荷台の構造」が分かるように、複数アングルで撮影が必要です。車庫の図面は「前面道路の幅員」「車両の寸法」「収容能力」を明記する必要があります。これらは「手引き」に細かく書かれていない「実務上の暗黙のルール」が多く、素人作成の図面は高確率で補正対象となります。

第3の壁:精神的に消耗する「補正(ほせい)対応」の壁

これが、自社申請を断念する最大の理由です。

書類一式を揃えて岡山県の窓口(県民局など)に持っていくと、審査官が目の前で一つずつチェックします。

  • 審査官:「この役員さんの身分証明書、本籍地の記載がありませんね。取り直しです」
  • 審査官:「車庫の前面道路の幅員が図面に書かれていません。測って書き直してください」
  • 審査官:「納税証明書、これじゃなくて『その○』が必要です。税務署で取り直してください」
  • 審査官:「車両の写真、これじゃ荷台の防水加工が確認できません。撮り直してください」

これらは全て「よくある補正」です。

申請担当者様は、平日の日中に会社(本業)を抜け出し、指摘された箇所を修正し、再度、平日の日中に窓口へ出向く必要があります。

これが2回、3回、4回と続くとどうなるでしょう。

担当者様は疲弊し、「もう無理だ」と匙を投げ、許可取得は大幅に遅延します。

自社申請が向いている希有なケース

とはいえ、当事務所は公正な立場からアドバイスします。

以下のような「希有なケース」に該当する場合のみ、自社申請を検討しても良いかもしれません。

  1. 社内に「産廃許可申請の経験者」がいる場合(例:元行政書士、同業他社で申請業務を専門にやっていた総務担当者)
  2. 許可取得を「全く急いでいない」場合(例:半年後、1年後に取れれば良い。補正対応も業務のOJTとして割り切る)
  3. 申請内容が「極めてシンプル」な場合(役員1名、債務超過なし、車両1台、管轄も岡山県のみ)

上記3つのすべてに当てはまらない限り、自社申請は「コスト削減」ではなく「リスク(損失)の先送り」でしかない、というのが私の専門家としての見解です。

行政書士への依頼【コスト・工数・リスク】の徹底分析

次に、当事務所のような「岡山県の産廃許可を専門とする行政書士」に依頼した場合を、自社申請と比較しながら分析します。「コスト」はかかりますが、それがいかに合理的な「投資」であるかをご説明します。

発生するコスト(費用):「投資」としての行政書士報酬

行政書士に依頼する場合の費用は、以下の3つに大別されます。

  1. 法定実費①:申請手数料(証紙代)
    • 新規 81,000円 (※岡山県、岡山市、倉敷市それぞれに必要)
    • これは自社申請でも全く同じです。
  2. 法定実費②:講習会費、証明書取得費
    • これも自社申請と全く同じです。
  3. 行政書士報酬
    • 岡山県の相場:80,000円 ~ 150,000円(税別・新規)
    • ※複数自治体へ同時申請する場合は加算されるのが一般的です。

自社申請の「隠れコスト(人件費)」試算が171,000円でしたから、専門家報酬は、自社の人件費で動くよりも安い、あるいは同等であることが分かります。

では、なぜ同等(あるいは安い)コストで、行政書士に依頼した方が圧倒的に有利なのでしょうか。

【最大メリット】「時間(工数)」と「スピード」の完全なアウトソーシング

行政書士に依頼する最大のメリットは、自社申請で最も無駄となる「時間(工数)」をゼロにできる点です。

比較表:申請プロセスにおける「御社の作業」

申請プロセス自社申請の場合行政書士に依頼した場合
1. 要件調査岡山県の手引きを熟読・解釈する(数日~)【御社作業なし】
当事務所がヒアリングし、許可要件(財務・車両・人)を診断します。
2. 書類収集法務局、市役所、税務署、県税事務所などを平日にハシゴする。遠方の本籍地へ郵送手配する。【御社作業なし】
当事務所が委任状に基づき、全ての証明書を代行取得します。
3. 書類作成膨大な申請書、事業計画書、図面、写真帳をゼロから作成する。(数週間~)【御社作業なし】
当事務所が全ての書類を作成します。
4. 押印【御社の作業①】
当事務所が作成した「完成書類」に、内容をご確認の上、押印するだけです。
5. 基本資料提出【御社の作業②】
決算書、車検証、定款など「御社にしか無い」資料をコピーして当事務所に渡すだけです。
6. 窓口協議平日に県民局(岡山市役所等)へ出向き、事前相談を行う。【御社作業なし】
当事務所が行政と事前協議を(電話・窓口で)全て済ませます。
7. 申請平日に窓口へ出向き、申請書を提出する。(待機時間含む)【御社作業なし】
当事務所が代理人として申請します。
8. 補正対応窓口から電話や呼び出し。平日に再度窓口へ出向き、修正・再提出。(2~4回)【御社作業なし】
万が一、補正指示があっても、当事務所が行政と直接やり取りし、完結させます。
9. 許可証受領平日に窓口へ出向き、許可証を受け取る。【御社作業なし】
当事務所が許可証を受領し、御社へ納品します。

いかがでしょうか。

自社申請では数十時間(数週間)かかるプロセスが、行政書士に依頼すれば、実質的な作業は「書類のコピペ」と「押印」という数十分の作業に短縮されます。

これにより、社長様や担当者様は、その「数十時間」を、すべて「利益を生み出す本業(営業・現場・経営判断)」に投下できるのです。

【本質的メリット】「リスク」の徹底的な回避と「ROI(投資対効果)」

時間(工数)の削減は、次の「リスク回避」につながります。これこそが、専門家を活用する本質的なメリット(ROI=投資対効果)です。

① 遅延リスクの回避(最速での許可取得)

自社申請で補正を繰り返せば、許可取得は3ヶ月、4ヶ月と簡単に遅延します。

  • 「この財務状況なら、この書類を添付しておこう」
  • 「この車両の写真は、この角度で撮らないと補正になる」
  • 「岡山市と他県の同時申請だから、計画書はこう書くべきだ」

このように、行政が求める「答え」を先回りして完璧な書類を作成し、スムーズな申請ができます。

② 不許可リスク・機会損失の回避(ROIの最大化)

ここで、自社申請の「隠れコスト③:機会損失」で挙げた例を思い出してください。

(自社申請)

費用:行政書士報酬 0円

遅延:3ヶ月

損失:受注ロス 90万円

→ 差し引き 90万円の損失

(行政書士依頼)

費用:行政書士報酬 15万円

遅延:0ヶ月(最速取得)

損失:0円(受注獲得)

→ 差し引き 15万円の支出

どちらが賢明な「経営判断」かは、言うまでもありません。

行政書士報酬の15万円は、「90万円の利益を逃さないための保険料(投資)」であり、そのROI(投資対効果)は600%(90万÷15万)にも達します。

③ 精神的ストレスからの解放

「役所の手続き」は、多くの経営者様にとって大きなストレスです。

「この書類で合っているか不安だ」

「平日にまた会社を抜けなければならない」

「担当者に強く言われて、やり直しになった」

このような「本業以外のストレス」は、経営判断を鈍らせます。

行政書士に依頼することは、これら全てのストレスを「丸投げ」し、経営者が本業に集中できる環境を買うことでもあるのです。

まとめ:岡山県の産廃許可は「コスト」ではなく「投資」で考える

産業廃棄物収集運搬業許可の申請は、自社申請でも「不可能」ではありません。

しかし、岡山県(岡山市・倉敷市)の厳格な審査、複雑な管轄、そして申請にかかる膨大な「隠れコスト(人件費・機会損失)」を考慮すると、それは「節約」ではなく「ギャンブル」に近い行為です。

  • 自社申請 = 表面的なコスト(報酬)はゼロ。しかし、膨大な時間、人件費、そして「許可が遅れる」という最大のビジネスリスクを全て自社で背負う。
  • 行政書士依頼 = 報酬(10~15万円程度)が発生する。しかし、時間、人件費、遅延リスク、精神的ストレスの全てを「ゼロ」にし、最速で事業を開始できる「確実性」を買う。

貴社は、優秀な社員様や社長ご自身の貴重な時間を、利益を生み出さない「慣れない書類作成」と「役所通い」に浪費させますか?

それとも、専門家に「投資」して、その時間を「本業の利益創出」に集中させますか?

当事務所は、岡山県での産業廃棄物収集運搬業許可申請を専門としております。「自社申請」という選択肢が、貴社にとってどれほどのリスクを孕んでいるか、そして私たちがそのリスクをどのように回避できるか、豊富な経験から具体的にアドバイスできます。

「うちは財務状況が少し不安だ」

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