スマート行政書士事務所

産廃運搬業許可の岡山県知事許可と岡山市長・倉敷市長許可の違い

この記事は約17分で読めます。
大道一成(行政書士)

大道一成(行政書士)をフォローする

岡山県内で産業廃棄物収集運搬業(積替え保管なし)の許可取得をお考えの事業者様。

「岡山市内で発生した廃棄物を、岡山市内の処分場へ運ぶだけ。この場合、申請先は岡山県庁で良いのだろうか?」

「倉敷市の許可は持っているが、岡山市の現場の廃棄物を運んでも良いのだろうか?」

「元請けから『倉敷市長許可』と『岡山市長許可』の両方を取るよう言われたが、なぜ2つも必要なのかわからない」

ご存知の通り、岡山県における産業廃棄物収集運搬業許可は、「岡山県知事」「岡山市長」「倉敷市長」という3種類の許可権者が存在します。

例えば「岡山市内で発生し岡山市内で処理する場合」は「岡山市長許可」が必須です。もし、このケースで誤って岡山県知事に申請書を提出しても、審査窓口で「これは岡山市の案件です」と突き返される(差し戻し)か、あるいは審査が進んだとしても「岡山市内完結の運搬はできません」という条件付きの許可になってしまい、全く事業の役に立たない可能性すらあります。

申請手数料(新規81,000円)と、申請準備に費やした貴重な時間、そして何より「この日から事業をスタートさせる」という御社の経営計画が、申請先の判断ミスというたった一つの過ちによって、数ヶ月単位で遅延してしまう。これが岡山県の産廃許可申請の最大の「罠」です。

今から、産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)の代行申請を専門とする行政書士が、岡山県の事業者様が絶対に間違えてはならない「知事許可」と「市長許可」の複雑な棲み分けについて解説していきます。

  1. 岡山県における産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)の「知事許可」と「市長許可(岡山市・倉敷市)」の決定的な違いと正しい申請先判断基準
    1. なぜ岡山県は3種類の許可が存在するのか?(廃棄物処理法と権限移譲の仕組み)
    2. 申請先を分ける絶対ルール「積卸し」の場所に基づく管轄区域の完全整理
      1. 1. 岡山市長許可 が必要なケース(岡山市内完結)
      2. 2. 倉敷市長許可 が必要なケース(倉敷市内完結)
      3. 3. 岡山県知事許可 が必要なケース(上記1, 2以外すべて)
    3. 事業者が陥る最大の罠「通過するだけ」の勘違い(専門家からのアドバイス)
    4. あなたの事業に必要な許可の組み合わせは?
    5. 申請先を間違えた場合の甚大なリスク(時間・費用・信用の損失)
    6. まとめ:申請先判断は「事業の根幹」
  2. 申請先の判断は入口に過ぎない!「積替え保管なし」許可取得の真のハードル
    1. 「積替え保管なし」申請の難易度
    2. 許可取得のための必須クリア要件(人・モノ・カネ・場所)
      1. 要件1:人(講習会の受講と欠格要件)
      2. 要件2:モノ(運搬車両と容器)
      3. 要件3:カネ(経理的基礎)
      4. 要件4:場所(事務所)
    3. 岡山県・岡山市・倉敷市で異なる「ローカルルール」の存在
  3. 結論:岡山県の複雑な産廃許可申請は「専門行政書士」への依頼が最短・確実な理由
    1. 事業者様にとっての「時間的コスト」 vs 「専門家報酬」
    2. 岡山県の産廃許可は当事務所にお任せください
    3. まずは初回無料相談から

岡山県における産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)の「知事許可」と「市長許可(岡山市・倉敷市)」の決定的な違いと正しい申請先判断基準

なぜ岡山県は3種類の許可が存在するのか?(廃棄物処理法と権限移譲の仕組み)

まず、なぜ岡山県(および一部の他都道府県)において、許可権者が「知事」と「市長」に分かれるのか、その根本的な理由からご説明します。

1. 廃棄物処理法の原則:「2府県(都道府県)の原則」

大前提として、産業廃棄物収集運搬業の許可は、廃棄物処理法(正式名称:廃棄物の処理及び清掃に関する法律)において、「廃棄物を積み込む(排出される)都道府県」と「廃棄物を降ろす(処分する)都道府県」の両方の許可が必要とされています。

例えば、広島県福山市の建設現場で発生した廃棄物(コンクリートがら)を、岡山県笠岡市の処分場へ運搬する場合、

  • 積み込む場所:広島県
  • 降ろす場所:岡山県となり、この運搬事業者は「広島県知事」と「岡山県知事」の双方の収集運搬業許可(積替え保管なし)を取得しなければなりません。これが全国共通の大原則です。

2. 岡山県を複雑にする「政令指定都市」と「中核市」の存在

この大原則に、岡山県特有の事情が加わります。それは、県内に「岡山市(政令指定都市)」と「倉敷市(中核市)」という、法律上「保健所政令市」と呼ばれる強力な権限を持つ市が存在することです。

廃棄物処理法および地方自治法では、このような政令指定都市や中核市に対して、本来都道府県知事(岡山県知事)が持っている許可権限や事務処理の一部を「移譲する(任せる)」ことを定めています。

具体的に、産業廃棄物収集運搬業(積替え保管なし)の許可においては、

「その市の区域内『のみ』で完結する収集運搬業」

については、都道府県知事(岡山県知事)ではなく、その市長(岡山市長・倉敷市長)が許可権限を持つ、と明確に定められているのです。

3. 権限移譲の結果、岡山県では3つの許可権者が誕生

この法令に基づく権限移譲の結果、岡山県内における産業廃棄物収集運搬業(積替え保管なし)の許可権者(申請窓口)は、以下の3者に分かれることになりました。

  1. 岡山県知事 (窓口:県庁や各県民局)
  2. 岡山市長 (窓口:岡山市役所)
  3. 倉敷市長 (窓口:倉敷市役所)

私たち事業者は、自らが行おうとする運搬の「範囲」によって、これら3つの申請先から正しい窓口を(多くの場合、組み合わせて)選択しなければならないのです。これが、岡山県の産廃許可申請を全国的に見ても非常に複雑にしている最大の要因です。

申請先を分ける絶対ルール「積卸し」の場所に基づく管轄区域の完全整理

では、具体的にどのように「知事許可」「岡山市長許可」「倉敷市長許可」を使い分ければよいのでしょうか。

判断基準は、行政書士として断言しますが、非常にシンプルです。

判断基準: 運搬の「積み込み場所(排出場所)」と「降ろす場所(処分場)」が、どの市の区域内にあるか。

「積替え保管なし」の許可において問われるのは、この「積地」「降地」の2点だけです。途中でどの市の道路を通過したか、事務所がどこにあるか、は申請先の判断においては一切関係ありません(これについては後述します)。

この絶対的な基準に基づき、3つの許可の守備範囲(管轄区域)を、具体例と共に明確に定義します。

1. 岡山市長許可 が必要なケース(岡山市内完結)

  • 定義:積み込み場所(排出場所)と、降ろす場所(処分場)が、どちらも「岡山市内」(北区、中区、東区、南区)である運搬を行う場合。
  • 具体例:
    • 岡山市北区の建設現場 → 岡山市南区の処分場
    • 岡山市東区の工場 → 岡山市東区の別の中間処理施設
  • 絶対に覚えておくべきポイント:この「岡山市内完結」の運搬は、「岡山市長許可」がなければ絶対にできません。 たとえ「岡山県知事許可」や「倉敷市長許可」を持っていたとしても、この運搬を行えば「無許可営業」となり、廃棄物処理法違反(5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはこれの併科)という非常に重い罰則の対象となります。

2. 倉敷市長許可 が必要なケース(倉敷市内完結)

  • 定義:積み込み場所(排出場所)と、降ろす場所(処分場)が、どちらも「倉敷市内」(倉敷、水島、児島、玉島、真備など)である運搬を行う場合。
  • 具体例:
    • 倉敷市水島地区の工場 → 倉敷市玉島地区の処分場
    • 倉敷市真備町の災害復旧現場 → 倉敷市内の仮置き場
  • 絶対に覚えておくべきポイント:岡山市のケースと全く同じです。この「倉敷市内完結」の運搬は、「倉敷市長許可」がなければ絶対にできません。 岡山県知事許可を持っていても、この運搬は「無許可営業」となります。

3. 岡山県知事許可 が必要なケース(上記1, 2以外すべて)

  • 定義:上記1(岡山市内完結)と2(倉敷市内完結)以外の、市境を越える、または県境を越えるすべての運搬。
  • ポイント:これが最も範囲が広く、多くの事業者がまず取得を目指す許可です。具体的には、以下のような無数のパターンがすべてこの「岡山県知事許可」の管轄となります。
    • 岡山市・倉敷市が関わる「市境越え」の運搬
      • 例1:岡山市の現場 → 倉敷市の処分場
      • 例2:倉敷市の現場 → 岡山市の処分場
      • 例3:岡山市の現場 → 岡山市・倉敷市以外の市町村(例:津山市)の処分場
      • 例4:倉敷市の現場 → 岡山市・倉敷市以外の市町村(例:総社市)の処分場
      • 例5:岡山市・倉敷市以外の市町村(例:玉野市)の現場 → 岡山市の処分場
      • 例6:岡山市・倉敷市以外の市町村(例:真庭市)の現場 → 倉敷市の処分場
    • 岡山市・倉敷市が関わらない「市境越え」の運搬
      • 例7:津山市の現場 → 総社市の処分場
      • 例8:新見市の現場 → 笠岡市の処分場
    • 岡山県が関わる「県境越え」の運搬
      • 例9:広島県福山市の現場 → 岡山市の処分場
      • 例10:岡山市の現場 → 兵庫県姫路市の処分場
      • 例11:津山市の現場 → 鳥取県鳥取市の処分場
  • 絶対に覚えておくべきポイント:これら(例1~例11)の運搬を「一つでも」行う可能性がある場合、「岡山県知事」の許可が必要です。(※例9~11のように県境を越える場合は、相手方(広島県、兵庫県、鳥取県)の知事許可も別途必要です)。

事業者が陥る最大の罠「通過するだけ」の勘違い(専門家からのアドバイス)

事業者様からのよくある質問:

「岡山市の現場から、岡山市外の津山市の処分場へ運ぶ予定です。この運搬ルートだと、岡山市内も倉敷市内も通過しますが、岡山市長許可や倉敷市長許可も必要ですか?」

行政書士としての回答:

いいえ、全く必要ありません。

前述の通り、「積替え保管なし」の許可で問われるのは、あくまで「積み込み」と「降ろし」の場所だけです。

このケースでは、

  • 積み込み場所:岡山市
  • 降ろす場所:津山市

これは、前項の「岡山県知事許可が必要なケース」の 例3 に該当します。

したがって、この運搬に必要なのは「岡山県知事許可」のみです。

岡山市内や倉敷市内を「通過」するだけで、その市域内で「積み込み」も「降ろし」も一切行わないのであれば、岡山市長許可や倉敷市長許可は不要です。

もし、このルールを知らずに「岡山市を通るから」と岡山市長許可を申請しても、窓口で「あなたの事業内容(岡山市→津山市)では、岡山市の許可は出せません。県庁に行ってください」と指導されるだけです。貴重な時間を無駄にしないためにも、この「積卸し地主義」の原則は絶対に覚えておいてください。

あなたの事業に必要な許可の組み合わせは?

上記で基本ルールはご理解いただけたかと思います。

しかし、実際の事業はもっと複雑です。複数の元請けから、複数の現場の運搬を依頼される場合、どの許可を取得すればよいのでしょうか。

前提: あなたの会社(事務所は岡山市北区)は、以下の3パターンの運搬をすべて行う可能性があるとします。

  1. 運搬A: 岡山市北区のA建設現場 → 岡山市南区のB処分場
  2. 運搬B: 岡山市北区のA建設現場 → 倉敷市水島地区のC処分場
  3. 運搬C: 倉敷市玉島地区のD工場 → 倉敷市水島地区のC処分場

さて、この事業を行うために必要な許可の組み合わせはどれでしょうか?

  • 運搬A(岡山市内完結)→ 岡山市長許可 が必要
  • 運搬B(岡山市 → 倉敷市)→ これは「市境越え」なので 岡山県知事許可 が必要
  • 運搬C(倉敷市内完結)→ 倉敷市長許可 が必要

結論:この3つの運搬すべてを合法的に行うためには、「岡山市長許可」「岡山県知事許可」「倉敷市長許可」の3種類すべての許可を取得しなければなりません。

ここで最大の誤解が生まれます。「岡山県知事許可は、県全体の許可なのだから、岡山市や倉敷市の運搬もカバーできる(大は小を兼ねる)のではないか?」という誤解です。

兼ねません。

前述の通り、法律(権限移譲)によって、「岡山市内完結」の運搬は岡山市長に、「倉敷市内完結」の運搬は倉敷市長に、それぞれ独占的な許可権限が与えられています。

県知事許可は、それら2市が管轄する「市内完結運搬」を除く、広範な運搬(市境越え、県境越え)を管轄する許可なのです。

もし県知事許可だけで運搬AやCを行えば、それは「無許可営業」として厳しく罰せられます。

申請先を間違えた場合の甚大なリスク(時間・費用・信用の損失)

「積替え保管なし」の許可申請は、私たち専門家である行政書士が万全の準備をしても、申請から許可証が交付されるまで、岡山県・岡山市・倉敷市のいずれにおいても3ヶ月(標準処理期間)かかります。

もし、この複雑な申請先の判断を間違えてしまったら、事業者様には取り返しのつかない損害が発生します。

1. 時間的損失(最悪の場合、4ヶ月以上のロス)

  • (例)岡山市内完結の事業(運搬A)がメインなのに、県知事許可だけを申請してしまった。
  • 申請(1日目)→ 2ヶ月後、ようやく許可が下りる → 許可証を見て愕然とする。そこには「(積卸し)区域:岡山県(岡山市及び倉敷市の区域を除く)」と書かれている。
  • これではメインの運搬A(岡山市内完結)が一切できません。
  • 慌てて岡山市役所に「岡山市長許可」を新規申請(ここからスタート)→ さらに2ヶ月。
  • 合計で4ヶ月以上の時間が無駄になり、その間の事業計画は完全に破綻します。「元請けに『許可が取れた』と言ってしまったのに」と青ざめる経営者様を、私は何人も見てきました。

2. 経済的損失(申請手数料と機会損失)

  • 産廃許可の申請には、新規で81,000円(岡山県・岡山市・倉敷市共通)の申請手数料(証紙代)が必要です。
  • 申請先を間違えても(上記の例)、一度納付した手数料は原則返還されません
  • 正しい申請先(例:岡山市)に申請し直す場合、再度81,000円が必要になります。
  • しかし、こんな手数料の損失は些細なことです。最も深刻なのは「機会損失」です。許可が下りるまでの4ヶ月間、元請けから「許可がまだ取れないのか」と催促され、最悪の場合、予定していた工事や運搬の契約そのものを失う(他社に取られる)ことになります。

3. 信用の失墜

  • 「申請先を間違えた」「必要な許可が足りていなかった」という事実は、取引先(元請けや排出事業者)に「コンプライアンス意識が低い会社」「法令を理解していない会社」という最悪の印象を与えます。
  • 産業廃棄物の不法投棄などが社会問題化する昨今、排出事業者(元請け)は、廃棄物処理法違反のリスクがある運搬業者(=無許可営業)を使うことを極端に嫌います。一度失った信用を取り戻すのは容易ではありません。

まとめ:申請先判断は「事業の根幹」

この申請先の判断は、単なる「手続き上の問題」ではありません。皆様の会社が「どの範囲の仕事を受注できるか」を法的に決定づける、事業の根幹に関わる重要な経営判断です。

そして、この複雑な申請先の判断は、産業廃棄物収集運搬業許可を取得するための、ほんの「入口」に過ぎないのです。

申請先の判断は入口に過ぎない!「積替え保管なし」許可取得の真のハードル

無事に正しい申請先(県、岡山市、倉敷市)を特定できたとしましょう。「これで一安心」と思われるかもしれませんが、残念ながら、そこからが許可申請の本番です。「積替え保管なし」の許可は、申請先が分かっても、次に挙げる数々の「要件(ハードル)」をクリアし、それを証明する膨大な書類を揃えなければ取得できません。

「積替え保管なし」申請の難易度

「積替え保管なし」許可は、他の許認可(例えば建設業許可や古物商許可)と比較しても、非常に多くの要件と膨大な添付書類が求められる、難易度の高い申請であるということです。

特に、廃棄物処理法は「適正な処理」と「不法投棄の防止」を至上命題としており、許可を与える行政側(県・市)の審査は極めて厳格です。「とりあえず申請書を出せば通る」というものでは断じてありません。「なぜこの廃棄物を運ぶのか?」「経営状態は安定しているか?」まで厳しく問われます。

許可取得のための必須クリア要件(人・モノ・カネ・場所)

許可を取得するためには、大きく分けて以下の4つの要件をすべて満たし、それを公的な書類で「証明」する必要があります。

要件1:人(講習会の受講と欠格要件)

  • 講習会の修了証:
    • 法人の場合は常勤の役員(代表取締役、取締役など)のうち最低1名、個人の場合は事業主本人が、(公財)日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施する「産業廃棄物収集・運搬課程(新規)」の講習会を受講し、試験に合格して「修了証」を取得している必要があります。
    • 専門家としてのアドバイス: この講習会は、開催日程や定員が限られており、申し込みがすぐに埋まってしまいます。「明日申請したい」と思っても、講習会を受けられるのが数ヶ月先、ということは珍しくありません。事業計画の初期段階で真っ先に予約すべきものです。
  • 欠格要件:
    • 申請者(役員、株主、事業主など)が、廃棄物処理法違反やその他特定の法律で罰金刑以上を受け、その執行が終わってから5年を経過していない場合など、法律で定められた「欠格要件」に該当する場合、絶対に許可は下りません。
    • 申請書類には、役員全員の住民票や登記されていないことの証明書など、欠格要件に該当しないことを証明する公的書類を添付する必要があります。

要件2:モノ(運搬車両と容器)

  • 使用権原のある車両:
    • 廃棄物を運搬するための車両(トラック、ダンプ、キャブオーバーなど)を確保している必要があります。自社所有(車検証上の所有者・使用者が自社)であるか、リース契約(1年以上の長期契約が望ましい)によって、申請者が合法的に使用できる車両でなければなりません。
    • 専門家としてのアドバイス: 「許可が取れたら車を買う」は通用しません。申請時点で車検証のコピーの提出が必須です。
  • 車両の写真:
    • 申請するすべての車両について、前方・後方・側面・(ダンプの場合は)荷台を上げた状態など、指定されたアングルから撮影した鮮明な写真が必要です。
    • 車両には「産業廃棄物収集運搬車」である旨の表示と、「会社名」「許可番号(新規の場合は空欄)」を両側面に鮮明に表示(マグネットシートやステッカー)した状態で撮影しなければなりません。
  • 飛散・流出防止措置:
    • 運搬する廃棄物の種類(例:汚泥、廃油、コンクリートがら)に応じて、運搬中にそれらが飛散したり、悪臭が漏れたりしないための措置(例:ダンプの自動シート、ドラム缶、コンテナ)が講じられていることを写真や図面で示す必要があります。

要件3:カネ(経理的基礎)

  • 「事業を継続できる財産的基盤があるか」が厳しく審査されます。赤字経営や債務超過(負債が資産を上回る状態)では、不法投棄のリスクがある(=経営難で正規の処分費用を払えない)とみなされ、許可が下りない可能性が高まります。
  • 提出書類:
    • 直近3期分の決算報告書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書など)
    • 法人税の納税証明書(その1)
  • 専門家としてのアドバイス: もし直近の決算が債務超過であっても、すぐには諦めないでください。公認会計士や中小企業診断士による「経営改善計画書」を添付する、あるいは金融機関からの「融資証明書」を提出するなど、将来的に経営が改善する見込みがあることを合理的に説明できれば、許可が下りる場合があります。

要件4:場所(事務所)

  • 事業を行うための独立した事務所(営業所)が確保されている必要があります。
  • 住居(自宅)と事務所を兼用する場合は、事務所スペースと生活スペースが明確に区分されている(入口が別、壁で仕切られている等)ことが求められます。
  • 事務所の賃貸借契約書、写真(外観、入口、内部の事務機器が写ったもの)、案内図(地図)などの提出が必要です。

岡山県・岡山市・倉敷市で異なる「ローカルルール」の存在

さらに厄介なのは、上記のような法律で定められた全国共通の要件に加え、申請窓口(県、岡山市、倉敷市)ごとに「独自のルール(通称:ローカルルール)」や「求められる添付書類の様式・書き方」が微妙に異なる点です。

  • 例1:岡山市では不要だった書類(様式)が、岡山県では必須だった。
  • 例2:車両の写真の撮り方について、県は寛容だが、倉敷市は非常に厳格な基準を求めてくる。
  • 例3:経理的基礎の審査基準(債務超過の判断)が、県よりも市の方が厳しい(あるいはその逆)。

これらのローカルルールは、行政の手引きに明記されていない(担当官の裁量の範囲内である)ことも多く、申請経験が豊富な専門家でなければ把握できません。

知識ゼロの状態で申請に行き、何度も窓口で「この書類が足りない」「この書き方ではダメだ」と指導を受け、補正対応に追われて心が折れ、最終的に当事務所に相談に来られる事業者様も少なくありません。

結論:岡山県の複雑な産廃許可申請は「専門行政書士」への依頼が最短・確実な理由

ここまで、岡山県における産業廃棄物収集運搬業(積替え保管なし)許可申請の「申請先の複雑さ」と「要求される要件の厳しさ」について、詳細に解説してきました。

この記事でお伝えしたかったことは、以下の3点に集約されます。

  1. 岡山県の産廃許可は「知事」「岡山市長」「倉敷市長」の3種類があり、事業内容(積卸しの場所)によって正しい申請先が厳格に決まっていること。
  2. 申請先を間違えれば、時間・費用・信用のすべてを失う甚大なリスクがあること。
  3. 申請先の判断は入口に過ぎず、許可取得には「人・モノ・カネ・場所」の厳しい要件をすべてクリアし、膨大な書類で証明する必要があること。

事業者様にとっての「時間的コスト」 vs 「専門家報酬」

事業者である皆様にとって、「時間」は最も重要な経営資源です。

ご自身で申請(セルフ申請)に挑戦することも可能ですが、その場合、以下の時間的コスト(目に見えない費用)が発生します。

  • 複雑な手引きを読み解き、廃棄物処理法を勉強する時間
  • 岡山市・倉敷市・県のローカルルールを窓口に電話して確認する時間
  • 膨大な申請書類(数十枚~百枚以上になることも)を作成・収集する時間
  • 不備を指摘され、何度も行政窓口(県庁や市役所)へ足を運ぶ時間
  • そして、申請が通るかどうか、2ヶ月間不安に思いながら待つストレス

これらの時間に、事業者様ご本人や、優秀な総務担当者様の貴重な「人件費(時給)」をかけて計算してみてください。

行政書士に依頼した場合、もちろん専門家報酬(代行手数料)は発生します。しかし、私たち専門家は、これらの煩雑な作業のすべてを代行します。

私たちが介在することで、事業者様は「申請が通るだろうか」という不安や、煩雑な事務作業から解放され、本来の業務(元請けへの営業、事業計画の策定、車両の準備など)に集中することができます。

結果として、「ご自身で申請する際にかかる時間的コスト」よりも、「専門家報酬」の方がはるかに安く、かつ許可取得までの期間が最短・確実になるケースが、岡山県においては特に顕著です。

岡山県の産廃許可は当事務所にお任せください

  • 「自分の事業は、どの許可を取ればいいのかわからない」
  • 「すでに元請けから仕事を打診されており、1日でも早く許可が欲しい」
  • 「決算内容に不安(債務超過)があり、自力での申請は難しいと感じている」
  • 「複数の許可(知事+岡山市など)を同時に申請したい」

このようなお悩みをお持ちの事業者様は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。

許可取得の可否、必要な手続き、お見積りを迅速に診断いたします。

まずは初回無料相談から

当事務所では、産業廃棄物収集運搬業許可に関する初回無料相談を実施しております。

本記事をお読みいただき、岡山県の産廃許可申請の複雑さ、そして専門家の必要性をご理解いただけた事業者様からのご連絡を心よりお待ちしております。

あなたの事業のスタートダッシュを、法令(コンプライアンス)の側面から強力にバックアップします。

タイトルとURLをコピーしました